紅茶時間をたいせつに、ゆとりあるシンプルな暮らしをめざしています。
『小さな家』というコンセプトの、家の間取り・家具・すっきりした暮らし・私の好きなテイストの家がたくさん掲載されている本『小さな家に暮らしたい』は私の好きな本の1つです。
建売住宅に引っ越してから出会った本なので間取りなど真似することができないものが多いけれど、たまに引っ張り出しては眺めています。
そんな写真の中に、7ページほどイギリス人の暮らしや家のことを研究している井形慶子さんの記事が載っていて、なるほどと考えさせられます。その部分を書いていきたいと思います。
本『小さな家にくらしたい』井形慶子さんのイギリス式小さな家の居心地を考える
シンプルで温かみのあるテイストの家を紹介する雑誌「PLUS1 LIVING」の別冊。2011年発行された本です。
5つのブロックから成り立っていて
- 小さくてかわいい家:7軒(オールカラー)
- 小さくて暮らしやすい家:7軒(オールカラー)
- 小さくて楽しい家:4軒(オールカラー)
- 小さくて居心地のいい家:9軒(オールカラー)
- 小さな家と小さな暮らしの作り方(文章&絵):間取り・インテリア・モノと収納・小さな家の作り方など4つの方法についてわかりやすくまとめられています)
今回は途中で井形慶子さんのインタビューからなるお話をピックアップします!
●井形慶子さん、イギリスの小さな家はなぜ居心地がいいのですか?
この7ページも見出しは『井形慶子さん、イギリスの小さな家は、なぜ居心地がいいのですか?』です。
井形さんは大学生の頃からイギリスの小さな家の魅力に取りつかれ、イギリスに通い続けルポしていました。イギリスに関わる著者もたくさんあり、明るいキャラクターが文章から伝わってくる素敵な方です。
●小さな家しか買えない日本。イギリスの小さな家のよさを知ってほしい
イギリスではアンティークを大事にする傾向があり、地震もなく、古い建物を大事に修繕して暮らしています。
イギリスの平均的な家の延べ床面積は15坪以下です。
イギリスの80%近くの人が15坪前後の家に住んでいることがわかって、私が感じたことを本にまとめようと『少ないお金で夢がかなうイギリスの小さな家』を書きました。
日本はというと
- 20~30坪の家を建てるのに、住宅メーカーは小さな家の展示場を作らない
- 人気の街は地価が高いから狭い土地しか買えない→15坪の家に住んでいる
- とんでもない家がある:駐車場が1階にあって車を置いたら横歩きでも辛い。玄関の扉が車につかえる。
これが日本の狭小住宅の象徴で、無理やりつじつまを合わせて、すべての機能を全部、小さな家に詰め込もうとする
(中略)
イギリスの家は、歴史あるアンティークと同じであたたかい。狭さが逆に居心地の良さになっていたりする。
それは機能ではなく無駄だと思えることを楽しむ、心の余裕があるイギリス人らしさがそうしているのかもしれませんね。
●イギリスの小さな増築を重ねるから間取りが独特・キッチンに隣接する裏庭
イギリスの小さな家は、もともと小作人や工場労働者のためのものでした。
アンティーク好きなイギリス人はそこにお風呂や家を増築していきます。凸凹がまた味になって居心地よい空間を演出してくれるのでしょう。
また窓は、1方向しかなく暗い。だけどキッチンは裏庭に面していて窓や出入り口があり、庭にはテーブル&椅子が置かれています。解放感にもつながります。
プライバシーが守ることができる。家で過ごす時間が楽しみになる造りになっているのでしょう。
●日本の間取りは廊下や押入れなどがネックに・ストックを持たない暮らし方ができるかどうか
日本では廊下や押入れにスペースがとられています。
イギリスではストックを持たない生活をしているから小さな家で快適に暮らしています。
トラックで全部、ものを運び出したら、20坪の家は広いですよ。だから、持ち物をまずどうするのか考える。
ものを買いたい人は、捨ててから買うなどのサイクルをつくらないとだめだと思います。
ミニマリストが注目を集めている日本では、共感できる部分が多いですね。
●小さな家のインテリアにはあたたかい雰囲気が似合う
イギリス人は家具を買い足していくという考えなので、バラバラのデザインのイスが並んでいたりします。そこがあたたかみにつながる。
日本では、白壁に仕掛けのある家具をつけたり(中略)ジャングルジムのような子供用ベッドとか、天板を引き出して伸ばせるテーブルとか、狭さをなんとかする仕掛けのある家具っていうものは、めんどくさくなって使わなくなるし、飽きるんです。
それにとても納得です。
テーブルもたくさんの方が来るときは別のテーブルらしきものをつなげてクロスを掛けるという風に活用していきたいです。
鏡や照明の活用も温かみが出て、空間が広がるそうです!
●飽きの来ない家にするには内装や部材の材質にこだわる
日本の建売住宅の小さな家の一番の欠点は飽きることなんです
素材にこだわると、傷も愛おしくなるのでしょう。
インテリアにこだわる始めるとチープな材質だと家具と合わないということが出てくるそう。
●生涯住み続けられる、自分たちが好きな家を建てる
「個性的な家を建てると、売れる時に売れない」という人がいますが、そんなことを考えていたら、結果的に魅力のない家になってしまいます。
うちは30坪もない家ですが、少し遊び心のある建売住宅にしました。階段が途中から2方向に分かれるところが好きです。
大きい家を建てるわけではないので、優先順位を決めることは大事です。
「駐車場がほしい」「庭がほしい」なと思ったら、他は狭くなる。
誰が使うかわからないリビングよりキッチンを広くするなどと考えも出てきます。
なるべくリビングを広くして個室をなくす・・・という流れが主流になっているという質問で、井形さんはこう答えています。
子供が小さいうちはそれでもいいかもしれないですけど、私のように子育てが終わってしまうと、家族それぞれの個室がすごく大事になってくる気がします。
本当にそれは思います。
家族皆自分時間をたいせつにする。リラックスする。リフレッシュする。そんな時間は1人過ごす時間だったりしますよね。
夫や娘はテレビを四六時中つけている人なのですが、私はしんどいです。いる時には、寝室で過ごすようにしています。ちょっとした仕切りがあるだけで快適になったりもします。
今から家を建てる方にそういう空間を作ることを私もお勧めしたいです。
家は居心地のいい、個の集合体であるべきだと思うんです
井形さんの最後の言葉は、家だけではなくて、家族とのつながりまで考えられています。
子供が大人と一緒に楽しむ暮らしはそこそこ中学生まで。期間はとても短いのです。
●おわりに
井形さんの考えるイギリス式小さな家は、インテリアだけではなくて、家族の成長を見据え、ストックを持ちすぎないシンプルな暮らしや生き方まで見通せるのではないでしょうか。
本当に必要なものは何か。
久しぶりに本を開いて改めて自分の暮らしを見つめるきっかけになりました。
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またまたガトーショコラとりんごのチャイで紅茶時間♪
今月はちょっと家を整えたいな~という気持ちが高まっています!
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